新しいロック・バンドが生まれては消え、消えては生まれ・・と大量消費されるかの様にボッコンボッコンと出てくる昨今、デビューアルバムリリース時から(何気に)11年(結成時から数えると14年!)、スタジオ・オリジナル・アルバムとしては4作目となるアルバムをリリースしたハイヴスは、紛れもなくハイプではないバンドだ。・・・とまぁこんな事言うまでもないだろうが、俗に言う“ロック・リバイバル”の一バンドとして着目される様になった彼らは、ガレージ・ロックの真髄である初期衝動と勢いをわかりやすく持ったロック・バンドであり、そのスタイル故、持続させるのはなかなか難しいのでは・・・とも思っていた。シンプルなコード進行に加えて勢いが売り、という事は必然的にバリエーションも狭まってどこかで飽きられてオチ、みたいなのだって充分ありえた訳だ。しかし、3作目となる前作『ティラノザウルス・ハイヴス』では4年ぶりというスパンにも関わらず、ハイヴス独自のハイ・テンションをちゃんと維持+さらにはデビュー・アルバム時より衰える事の無い(むしろ増された)勢い、という高いクオリティによって彼らのスタイルは確固たるものである事が私にも理解できたし、同時に3作目の成功と共にハイプではない事実が証明されたのだった。
で、そんなリリースから約3年。いくつかの雑誌のインタビュー記事によれば、彼ら曰く、前作リリース後に楽曲の方は既に用意ができていて期間をそんなに空けずにリリースする事も可能だったのだが、世界各地でレコーディングした事によって時間がかかってしまい、結果的にリリースするまでに3年程空いてしまったらしい。・・・という事は前作から突発的な変貌を遂げている事はないだろうと考えながらも、彼らが4作目にしてどの様なアプローチをしてくれるか?と興味深いものがあった。そんなちょっとした期待を持ちながら聴いてみた今作『ザ・ブラック&ホワイト・アルバム』は、結果的にハイヴスの新たな引出しを魅せるヴァリエーション豊かなアルバムとなっていて、ファンとしては満足!な作品になっている。
1曲目の「ティック・ティック・ブーン」(すごい題名だなー笑)では彼らのコミカルさとハイテンションっぷりを早くも爆発させている上に、曲の展開が今までより練られていて痛快なチューンとなっているし、4曲目の「ウェル・オール・ライト!」では土臭いブルージーな雰囲気を醸し出す等いつもとはちょっと違うハイヴスの側面をみる事ができる。そしてなんといっても今作のキー曲と言える5曲目の「ヘイ・リトル・ワールド」はハイヴス独自のキャッチーなリフと安定した演奏に加えて癖になるサビといい、ライヴでやったら間違いなく大盛り上がりする楽曲だ(この後に渋めのゆったりとしたインストを入れている流れもナイス!)。また、10曲目の「ギディ・アップ!」や13曲目の「パペット・オン・ア・ストリング」等でも、ハイヴスにしては珍しいミドル・テンポの楽曲で、アルバムの良いスパイスとなっていて、テンションの高さだけじゃないハイヴスの味わいも感じられる。
今作ではプロデューサー陣にデニス・ヘリング(エルヴィス・コステロ、モデウス・マウス等)、ファレル・ウィリアムス、ジャックナイフ・リー(U2、スノウ・パトロール等)、そしてマシアス・オールデンにヘンリク・スヴェンソンといった様々なジャンルの5人を迎えて世界各地でレコーディングを行った訳だが、それぞれ個性豊かにハイヴス色を出していて、このチョイスも今作において非常にプラスとなっている。
4作目で依然として更なる前進を見せたハイヴス。冒頭にも書いたが、“ロック・リバイバル”の一バンドとして着目される様になった彼らだが、今作で表してくれた通り、確実に新しいステップを踏んで“ハイヴス”独自のポジションを築きつつある(相変わらずブラック&ホワイトのスーツを身にまとい、今もなお第6のメンバーと言われるランディ・フィッツシモンズの存在を<否定されながらも>主張する等、彼らの地道なエンターテインメント性の徹底ぶりも微笑ましい。)。ひとまず、彼らが元気な内はこのハイ・テンションぶりとサービス精神旺盛な心意気を見せ続けてくれるのだから、安心して次作も待つ事にしよう。
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