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2008/08/08

XX Teens

Welcome to Our (Dark) Land

過去1、2年の間にローカル・レベルで注目を集めてきたロンドン出身の5人組XXティーンズ。まだ彼らがゼロックス・ティーンズと名乗っていた去年初めてライヴを観て(コピー機会社からクレームがついてバンド名は変更)、ザ・フォールやUKポスト・パンクを踏襲したサウンドとライアーズやラプチャーのダイナミックなダンス・ビートの融合、人を食った佇まいにKOされて以降、シュールでナンセンスなアート・ワーク(アルチンボルドと漫画が一緒くた?のグロいジャケはレコード店でも異彩を放っていた)、ブラック・ユーモアたっぷりなビデオなど、その異分子な世界(毒?)が広がっていく様を折りに触れ見守ってきた。
名門MUTEと契約、晴れて完成したデビュー・アルバムは「Welcome To Goon Island」。それを機にツイン・ヴォーカルの片割れ=アンソニー・シルベスター(写真左から2人目。ギターを弾きつつのシャウトが基本)に取材できたのだが、UKロック&インディ・シーンを支えてきた伝統とも言える「アート・スクール発」の出自、映像や絵画などヴィジュアル・アートと連動しつつの活動、アウトサイダー的立ち位置など話を聞くほどコテコテにイギリスらしいバンドである。本人も認めていたけれど、現実をベースにしつつ非現実的なパラレル・ワールドを音楽の中で生み出していく少年的プラモ趣味~箱庭的感覚(クリス・モリスの「Brass Eye」やマイティ・ブーシュなどを思わせる)は妙に憎めないし、クラクソンズ、ホラーズ、ジーズ・ニュー・ピューリタンズなんかにも一脈通じる味だろう。既発表曲がアルバム半分を占めるのは正直残念だが、ロス・オートン&ベン・ライマー(共に、シェフィールド発のエレクトロ・ディスコ・ユニットFat Truckersに在籍)によるクリアなリ・プロダクションは秀逸なベース・ライン&ビート、歯切れのいいギターなど長所を前面に押し出しつつ、ホーンやスティール・ドラム、シタール、コラージュなど楽曲のオリジナル・アイデアを交通整理し、ガレージ・バンドという前身からモダンなディスコ・パンク・バンドへ変容を遂げた彼らの個性と振れ幅をよく捉えている。というわけで音はぐっとプロフェッショナルになったけれど、アルバム最後に反戦活動家ブライアン・ホー(01年以来、首相官邸そばにピケを張り続けている)のスピーチを収録しオマージュを捧げているように、一見ミュータントで変わり者なこのバンドの根幹にはリベラルでジャーナリスティックな視線がある。08年のイギリスが浮かび上がる、面白い作品だ。

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―グラストンベリーでライヴを観たんですが、去年観た時とは違うドラマーが叩いてましたよね。
君が観た時からグラストンベリーの間に、実はもうひとり別のドラマーもいたんだよ。
―メンバーがころころ変るって噂は本当なんですね。
んー、今年に入ってからはそうだったと言えるね、確かに。
―今はやっとメンバーも固定したんですか。
だといいんだけどねー、うん。でも、メンバー・チェンジは別に僕の意図したところじゃないから。
―普通バンドって同じ顔ぶれで続くことが多いわけですけど?
思うに・・・そういう「一般的なバンド像」って今やほとんど死滅状態に近いんじゃない?バンドっていうコンセプト、そういう見え方ってやっぱり魅力的なアイデアではあるし、強くアピールするものがあるよね。で、バンドを売り出す側の多くは人々がいまだに「ジョン・ポール・リンゴ・ジョージ」って図式に夢中だってことを承知してるわけ。そりゃ僕だって好きだよ。でも現実は、コアさえ変らなければありなんだよ。3人しか残ってなくたってストーンズはストーンズだし(笑)、たとえばチャーリー・ワッツが抜けたって、ミックとキースさえフロントにいればっていう。
―XXティーンズの場合は、あなたとリッチ・キャッシュ(Vo)が常にクリエイティヴな核だったってことになります?
イエス!
―あなたとリッチのコンセプトから始まった、と。
僕達は・・・同じアート・スクールに通っててね。一緒に映画を作ってたんだ。北ロンドンのバイアム・ショーってアート学校(セント・マーティンズの姉妹校)でバンドが結成されて・・・あ、でもギターのウィルも当初からのオリジナル・メンバーだよ。
―今は映画作りではなくバンド活動に専念してるんですか?
僕達は・・・実際映画を作るところまではいかなかったんだ。でも映画、というかビデオには携わってる。サイモン・グリーンと仕事したんだけど、彼は本当に素晴らしい映像作家だし、一緒に仕事できたのはこう、目を開かされる経験だったね。
―彼は「Darlin」のビデオを作った人?
うん、その前のビデオも監督してくれたし、映像面はほとんど彼が担当してくれた。アート・ワークを手掛けるアダム(・レイサム)と同じで、サイモンがビデオ係っていう。
―彼らとあなた達とのつながりはどこにあったんでしょう。
アダムはもともとバンドに入るはずだったんだよ。彼も同じアート・スクールに通ってて、仲のいい友人のひとりで。彼はキーボード担当の予定だったんだけど・・・芸術家としての腕前の方が、キーボードより上だったっていう。アッハハハ!
―(笑)。
でも、彼はなんというか、6人目のメンバーみたいなもので。彼なしでは考えられない・・・彼のアート・ワークは僕達の一部だから。
―そのアート・ワークやビデオ、音楽そのものにしろ、あなた達の作品には不穏でグロテスクな、現実のカリカチュアめいたものがあります。ああいうひねったものに惹かれるのはなぜ?
んー・・・
―ショックを与えるというか、人々の反応を見ようとしている?
いやいや、それはないよ!それは全然違う。それよりずーっと・・・パーソナルなものだと僕は思ってるし、僕達のやってることってもっとこう、自分達の世界に没頭したものっていうか。
―ああ、なるほど。
だって、普通は自分のためにクリエイトするものだからね。人がどう思うかとかはあまり考えないで、まず自分のために何かを作っていくっていう。もちろん、後になって「どう評価されるだろう?」なんて考えもするけど、基本的には自分の中から、自分のためにアートを作っていくものだと思うし、だからパーソナルなものだっていう。
―たとえば「Welcome To Goon Island(阿呆の島へようこそ)」というアルバム・タイトルにしても・・・
あ、あのタイトルはアダムから来たんだ。彼が「Goon Island」ってタイトルで一群の作品を描いてね。「Welcome To Goon Island」、それとも「Adventure in Goon Island」だったかな?とにかくそういう題で作品展をやる予定だったんだ。要するに彼の作品群がまずありきで、それを僕達は・・・パクったっていう(爆笑)。でもGoon Islandプロジェクトについては長いこと話し合ってきたし、アルバム・タイトルを考える段になって、あのフレーズがぴったりに思えた。そうそう、フィルムも作ったんだよ。Goonisland TVってウェブサイトを新しく立ち上げる予定なんだ(※現時点では稼動してません)。たぶん、あれを観てもらったら、もっと色々分かると思う。
―うーん、観るともっと混乱させられそう。
確かに、その可能性はあるね!
―(笑)質問を元に戻すと、あのタイトルを見た時感じたのが、島国イギリスの現状やカルチャーをからかったものなのかな?ということだったんですが、いかがでしょう。
そういう解釈ももちろん成り立つと思うよ。ありな見方だし、確かにそれって的を射てもいる。ただ、それ以外にいくらでも別の解釈の余地はあるわけで・・・でもまあ、あれを「Welcome To Island,Welcome To Great Britain」って捉えるのは確かにそそられるよね。それは分かる。
―ゼロックス・ティーンズ時代の初期シングルに植民地時代のイメージをもじったイラストがありましたが、あれに西洋風な世界観への皮肉を感じたんです。
その通りだね。でも、アイデアはアート・ワークから来たもので・・・ある意味それが音楽にも反映されたっていう。あのカヴァーは、連作を描くにあたって西洋社会の第三世界に対する視点みたいなものをアダムが調べていて。帝国主義がテーマだったと思うけど、それがある意味、あの時点では音楽とも重なるものだったんだ。たとえば「Sun Comes Up」という曲――アルバム・ヴァージョンはもっとちゃんとした歌になってるけど、あのEPの段階では・・・
―バック・トラックのアイデアは基本的に同じですが、歌詞もないし喋ってるというか。
うん、映画「Zulu」(64年。アフリカのズールー族と英国軍の戦闘を描く)のサンプリングなんだ。あの曲はいわば、60年代・・・ビートルズやインド思想といったものと、ハリウッドが描き出したヴィクトリア朝帝国主義、植民地政策をからかったもの、みたいな。アート・ワークと曲は大体のところでマッチしてると僕は思ってるし、その上でまったく新たな意味も付け加えてるんじゃないかな。
―ポップ・グループ、ギャング・オブ・フォーなどポスト・パンク~アート・ロック・バンドからの影響を感じる音ですが、実際はどんな音楽が影響源?
んー、このバンドは間違いなくResonanceFM(ロンドンを拠点にするコミュニティ・ラジオ)ファミリーだよね。僕達アート・スクールの出身だし、そういう環境だとResonanceFMの影響はやっぱり少なからずあるから。でも、どんな音楽を聴いて育ってきたかと言えば、正直それこそなんだって聴いてきたし、これひとつって区切ることはできない。だから・・・それがある意味、僕の音楽の書き方にも影響しているのかもしれない。アルバムに入っている曲にはそれぞれ独特のサウンドと雰囲気を持たせたいし・・・まあ、影響というのは避けがたくて「○○っぽい」みたいなものはあるし、曲同士似たところはもちろんあるけど、それでも違いがあるって聴き手に感じてもらえればいいね・・・僕個人で言えば、子供の頃はモータウンをかなり聴いてた。それに両親の持ってた60年代音楽のコレクション、祖父母はクラシック音楽が好きでビッグ・バンドとかスウィングなんかも。で、ティーンエイジャーになってキャプテン・ビーフハートに出会って、そこからサイキックTVやジェネシス・P・オリッジに興味を持つようになって。
―コアですね・・・。
だよね。でもそんなティーン時代を終えて、20歳になった頃にはティンバランドやネプチューンズが出てきて・・・ほんと、音楽には常に感銘を受けっぱなし。待っていれば必ず素晴らしい何かが現れるわけで。だから、僕はどんな音楽でも好きだよ。
―あなたが多感な頃の出来事としてはブリットポップが一番大きかったんじゃ?
ああ、うんうん。もちろん・・・でも、ブリットポップの僕にとっての影響は、反面教師的なものだったんだろうね。ほんと、好きになれなくて。
―それはどうしてですか。
とにかく・・・ブリットポップが象徴しているものが好きになれなかった。実際、ひどいバンドもたくさんいたと思う(笑)。なんで受けつけなかったのかな?でも、パルプとジャーヴィス・コッカーなんかは天才だと思った。それにブラーだとか、ビッグなバンドの中からとんでもなく素晴らしい才能も出てきた。だから、どの時代も同じなんだと思う。要するに、一部を除く、大してすごくもない連中がたくさん出てきて台無しになったっていう。バンドの名前すら思い出せないからなあ、もう。
―パンクもグランジも結局そうでしたしね。
うん。でも僕はブリットポップってのは実際ムーヴメントですらなかったと思っていて・・・まあ、ごく短い期間に存在はしたわけだけど、僕としてはその実体が掴めなかった。僕からするとたとえばブラーとオアシスに共通点は感じられなかったし、あの2バンドが一緒に論じられるのが理解できなくて。グランジだったらまだ「グランジ・サウンド」があったわけだけど、ブリットポップに関してはそれすらなかったんじゃ?と。パルプにしたってまったく異なるサウンドを出していたのに、そういうバラバラなバンドを一緒くたにして「Cool Britannia」なんてコンセプトを打ち出したのは・・・僕にとっては逆効果で、当時のUK音楽の多くから距離を置く結果になったんだ。そのせいで、むしろアンダーグラウンド・ミュージックに目を向ける結果になったっていう(苦笑)。
―聴きやすい音楽が大衆に支持され愛されるって傾向は今も変らないと思います。たとえばコールドプレイはすごく売れているけど、他にも面白い音楽、興味深い音楽はあるわけで。
あ、でも僕はコールドプレイ好きなんだ(笑)。
―えっ!?
彼らはグレイトだと思うし、うん、クリス・マーティンはすごいよ!彼の書く曲は本当に良くできているし、すごく熟練した書き手だ。たとえば「Clocks」みたいな曲、僕達はいまだ書けてないし。でもマジな話、音楽に関しては自分はアンディ・ウォーホルみたいな人間なんだよ。なんだって「ワーオ!すごい!」みたく感激するっていう(笑)。まあ、リスナーとしてはそれじゃダメなのかもしれないけど・・・ほんと、色んなものに感銘を受けるから。だからポピュラーじゃないからってだけでやたら評価されてるような、そういう音楽は避けようとしてる。それって要は人気が出るほど優れたバンドじゃないってことでしょ?イギリスにはそういうバンドって死ぬほどいると思う。だから、レコードをたくさん売るバンドを好きでも別にいいんだよ。それを言ったらビートルズだって否定することになるし。
―だからって、何百万枚もレコードを売りたいわけじゃないですよね?
ないない、それはない。そうなってもいいけど、自分達にそれが可能だとは思わない。売れることを否定はしないけど、基本的に自分達のために音楽を作っているから――とは言っても、きっと他の人も気に入ってくれるだろうって常に願ってるんだけど!(苦笑)それってまあ、一種の妄想かも・・・これはいいって思っても、他人からすれば「こいつ、なんでこんなものが気に入られると思ったんだ?頭おかしいんじゃない?」ってもんかもしれないし(苦笑)・・・キャプテン・ビーフハートの逸話を思い出したけど、彼は女性ファンを増やしたいと思ったんだって。ギグのたび、来る客は10代の男ファンがほとんどで・・・それってXXティーンズのライヴみたいなもんだけどさ(失笑)。
―(笑)。
で、その状況を変えたい、もっと女の子受けを良くしようと考えた彼は、「Clear Spot」に入ってる「Her Eyes Are A Blue Million Miles」を書いたそうなんだけど・・・(爆笑)大笑いだよね。当時の若い女の子が好きそうなカーペンターズなんかとは似ても似つかない曲でさ。ほんと、あの頃の彼の頭の中がどうなってたか見てみたいくらいだよ。でも、僕達もそれに近いんじゃないかな。僕とリッチの頭の中に生まれた音楽的な妄想というか、本人達はばりばりにヒット・レコードを作っているつもりなのに、フタを開けるとフラテリズでもなんでもないっていう(苦笑)。
―アルバムですが、収録曲の多くはシングルやEPで発表されてきたものですよね。最初からアルバムとして作ったというより、過去のベスト・ワークを新たに録り直した集大成に近い?
アルバムはロス・オートンと一緒にやったんだ。彼はM.I.A.の「Galang」を作った人(元パルプのスティーヴ・マッケイとCavemen名義でプロダクションをやっている)で、あれを聴いた瞬間ぶっ飛ばされて。だけど、(苦笑)ロスって人は本当に野蛮人(Caveman)みたいなところがあって。今もシェフィールドで暮らしてるんだけど、小さな自宅のベッドルームで、ドラムの上にマイクを掲げながら、足で手拍子の音を出しながらあのトラックを作ったんだってさ。
―あははは!
・・・めちゃめちゃローファイなやり方だけど、すごくエネルギッシュな音になってる。だからあのトラックを聴いた時この人とやれたらすごいぞと思った。一方で、もともとは僕の狭いガレージで自分達で録音していて、だからこそ生まれたちょっとした、でも僕達にとっては貴重なエレメントもあったわけ。だから、いざアルバムを作る段になったからって、それまでの全てをすっかり他人の手に委ねる、なんてのは意味がない。それで彼とやることにしたんだけど、相当長い時間スタジオに詰めることになって・・・でも最終的に出来上がったものには満足してる。とてもね。ある意味、こういう音で鳴るべきだった、って姿にやっと曲が落ち着いたというか。
―新旧の楽曲を取り混ぜてのアルバムかな?とも思いました。「Only You」なんかは他のトラックとはトーンがかなり違いますよね。
あれはもともとフランス語で歌ってたんだよ。
―そうなんですか。
だから英語で歌うことになって大変だったんだけど(笑)・・・それでもすごくスピーディに作業が進んで、1日で仕上げたよ。フランス人の女の子を連れてきてデュエットするつもりが、最終的にブルース・スプリングスティーン調の曲になったっていう(笑)。
―アルバムの中でも一番アンセミックかもしれません。
うん。ビッグで音も厚くて、オルガンだのギターが入ってて・・・最後の方にギター・ソロまであるから。僕としてはあの曲と「Sun Comes Up」に一番満足してるかな。なんというか、曲が最初の形から成長していった、その過程が気に入ってるっていう。「Sun~」は実際ぎりぎりで仕上がった曲で、アルバムの最後に作り終えた曲なんだ。で、こっちも「ワオ!」みたいな・・・原形からあんな風に変化していったわけだからね。それは「Only You」にも言えることだし、「Round」もそう。自分達で作った初期ヴァージョンをスタジオで聴き返してみて、ロスが「この曲、スリッツみたいにしたいならそうできるけど?」って言われた(笑)。でもスリッツはたくさんの人がもうやってるし、僕としてはあの曲に流れるビートの方が重要で。あのトライバルな感じのビート、あれをもっとこう、ラーガっぽく作り変えていったっていう。だからまあ、どれだけ引き算していくか、そこだったんだろうね。
―いい意味でこれが「完成品」という感じの作品ではなく、むしろここからこのバンドがどう広がっていくか、それを記した作品のようにも思います。
うん・・・色んなアイデアの詰まったアルバムだし、意図的なものでもあって・・・アルバムは1枚1枚まったく違うものにしたいし、それこそ自分達の頭の中の「グレイテスト・ヒッツ」みたいなものにしたいと思っているから。
―おかげであなた達をカテゴライズするのが難しくもなるわけですが?
うん、でもそもそもそれ自体が無理な話。それってほんと、怠慢なジャーナリストがやることだと思う。レヴューの中でしょっちゅう「頭のおかしいバンド」だの「イギリスでもっともイカれたバンド」なんて書かれて、頭にくるよほんと!クレイジーなところなんてまったくないのに。そういうキャッチフレーズを見るたび、自分がそれこそ「Britain‘s Got Talent」(素人パフォーマーの勝ち抜きTV番組)出演者みたいな気分になるっていう。
―(笑)。
ほんとそうだよ。まるで・・・ジョークでやってるおもろいバンド、みたいなイメージじゃない?だから、アルバムを聴いてもらって僕達がもっと真面目な連中だって点がはっきりすればいいと思う。
―バンドの数が多すぎる今というのは、そうした「ぱっと分かる」キャッチフレーズみたいなものが必要な時代ですよね。そこで困難を感じることは?
確かに今はバンドをやるには大変な時代だと思う。ダウンロードが盛んで、レコード会社もやばくなってきてるし・・・それに人々の音楽に対する姿勢そのものが変わったよね。iTunesやiPodのせいで、音楽に対する熱意が薄まったというか。みんなMP3で音楽を聴いてるけど、周波数の一部はカットされちゃうし、それって圧縮されたサウンドのJPGみたいなものでしょ曲ごとにダウンロードするケースの方が多いだろうし・・・でも、昔は「ねえ、あのアルバム聴いた?」なんて友達と話し合ったり、確かにアルバムってものが存在してた。まあ、プログレ連中がもったいぶった大作を作ったせいでアルバムって形式が崩壊した・・・かどうかは知らないけど(笑)、僕達はこの時代に生まれたわけだしさ。過去を理想化したって始まらないよ。
―あなた達のカリカチュアめいたヴィジュアルや聴き手に挑戦するようなライヴから、今の時代に対するアンチな姿勢を感じたりもするのですが。
いや、それはないよ。反動ってところはない。むしろ周囲や状況にフィットしようとしているし・・・そこで自分達が感じたフィーリングやそれに対するコメント、反応を述べてるってところはあるかもしれないけど、僕達は実際のところ何かを打倒しようとしているんじゃなく、何か加えようとしているんだと思うし。そうやって・・・自分達固有のユニークな視点を世界につけ加えようとしているっていうか。だから、何事に対しても反動的ではないよ。言われたような姿勢は、むしろ以前のゼロックス・ティーンズ時代の方が当てはまるだろうし、XXティーンズにそれはあまり通じないと思う。少なくとも、ここ2ヶ月のXXティーンズに関してはそうだよ・・・僕達はまだ変化の途中だし、うん、以前と同じことはもうやってない。それに、今の僕達はプレイする時に実際音楽をエンジョイしてるように見えるだろうしね。たぶんバンドとして少し進化して、それがパフォーマンスにも出てきたってことだと思う。僕達はかなり時間をかけてきたし・・・本当にのろのろ進んできたバンドだから(笑)。そのせいでこれまで大して成長してこなかった。バンドを始めた頃はまだアート・スクールに通っていたし、アーティストを目指してた。いつの間にかバンドにいたって感じでもあったし、それぞれ変名を名乗ることでバンドだけが自分のアイデンティティじゃない、アーティストとしても活動できるって風にしておいたんだよ。それが、だんだん自分のやってることはバンドだ、誇りに感じるって風に僕の考え方も変化してきて、変名よりもむしろ本名で呼んでもらいたいと思うようになった。そういう変化が起きるまで時間がかかったというか・・・バンドをやってる連中の多くは、バンドをやるのが夢!みたいな感じでバンドの一員でいることにあんまり抵抗を感じないんだろうけどね。なんというか・・・もしかしたら、僕達はそういうところがお堅いイギリス人過ぎるのかも(苦笑)。生真面目なんだよ。

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