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Pet Sounds 2007

ストロベリー・ジャム

Animal Collective

Pet Sounds 2007

1作ごとにそのサウンドを変容させ、演奏パートやジャンルの越境はもとより、時にバンドという概念すら覆してしまう逃げ水のようなネオ・ヒッピー音楽集団、アニマル・コレクティヴ。宅録からスタートした彼らは、ポップ、ポスト・ロック、フォークやワールド・ミュージック、実験音楽など広範な影響を奔放に化合しながらイマジネーションと本能に突き動かされた新たなサイケデリアを発展させてきたが、前作「Feels」の豊潤で有機的なサウンドを経て登場する待望の新作[Strawberry Jam」は、エフェクトで歪曲されオブセッシヴに刻まれたビートやトライバルなコーラス、ストレンジ・ノイズ(水中録音やテルミンも使用)が星間戦争を繰り広げるごときシュールでチャーミングなサウンド・スケープを鳴らしている。そのダイナミックなクラッシュ&ミックス感は、ジャムというより子供でも作れるお菓子=フールの楽しさ。しかし、前作以降明度を増しているヴォーカル~ブライアン・ウィルソン系の麗しいメロディ・フックを横糸として通すことで、よりアクセスしやすいポップ・ミュージックとしても成立している。このアルバムをきっかけにアルバムをきっかけに、より多くの音楽ファンがこの不思議な音楽動物園=アニマル・コレクティヴの世界に足を踏み入れてくれることを願おう。

――新作「Strawberry Jam」、聴いていて知らず知らずの間に笑みが浮かぶような、ジョイフルかつポップな作品になったと思います。
全員:ありがとう。
――03年以来ほぼ毎年アルバムをリリースしてきましたが、今回は2年近いギャップがありました。ノア(=パンダ・ベア)のソロ発表や移籍の影響でしょうか?
エイヴィー:いや、レーベル移籍はそれほどでもなくて、それより彼(パンダ・ベア)に子供が生まれたことのほうが大きかったんじゃないかな。それもあって、少しスロー・ダウンしたっていう。彼はヨーロッパで暮らしているから、バンドとして過ごす時間を〝作り出して〟いくようになってね。だから、「Feels」(前作:05年)をサポートするためのツアーをやるべく集まって、リハで何週間か一緒に過ごす、そのたびに何曲か練習してって調子で・・・だから、うん、結果的に少し時間のかかるプロセスだったんだと思う。
ディーキン:ちょっと時間をかけた、っていう。ちゃんとしたスケジュールを立てて、この時には誰が参加できるかとか、あれこれプランニングしてね。
――大抵のバンドは・・・まあ、あなた達に「バンド」ってタームは使いたくないですが・・・
エイヴィー:フフフ!
――普段もよく顔を合わせて、一定の期間に一気に録るケースが多いわけですが、あなた達の場合は全員が集まることさえ一苦労、ということ?
エイヴィー:そうだね、ちゃんとオーガナイズしないと。でも僕達は、たとえば全員が揃わない時だって、何人かで作業を進めたりもしているよ。ふたりはニューヨークに住んでるし、残るひとりもさほど離れてないところに住んでいるから、たとえばノア抜きでも、この3人で音楽に取り組んで発展させることは可能なんだ。で、作業終盤になったら、僕達で取り組んできた音源を彼に送って、一緒にスタジオに入る前に聴いてもらうっていう。そうやって、距離を保ってきたのは良かったと思う。ツアーの時にみんなで何曲かプレイしてみて、その後いったん置いてからまたその曲に戻ってみて。「OK、曲が上がったから即レコーディング!」なんていうんじゃなく、その曲が本当に満足のいくものかどうか、自分達でも好きかどうか、再確認できたからね。レコーディングしてきたいくつかの曲のうち何ヴァージョンかは、その曲の半年前の状態とは違うだろうけど、詰まるところ、僕達にしてみれば、それが一番自然な、最終的なサウンドに対するアプローチの仕方なんだ。だから、「(録るなら)今だな」って気がしたというか、スタジオでも「とにかく新曲をやっつけなくちゃ」とか、どこか曖昧だったりとか、そういうことはなかったね。
――時間を置いて違うアングルから楽曲を眺め直す、フィルター作業があるわけですね。
エイヴィー:うん、そんなに長い時間じゃないけどね。そうやってアルバムに入れる曲をライヴで演奏するのは、僕達にとってもすごく役に立つんだ。オーディエンスの反応や、楽曲のある箇所で強く感情移入してくれるところなんかも見てとれる。たまに曲にオチをつけずにおく時もあって、本当は然るべきところで区切りがあるのに、それを敢えて長く伸ばしていったりもするし、途中のパートを入れ替えたり。そうやって一歩引いてみることで、次にプレイする時には少し変えてみたり、違うやり方でプレイした方が気持ちよくやれる・・・なんてことに、自分達でも気づくんだ。
――レコーディング作品として世に出ても、そこからまたいじることもありそうですね。
エイヴィー:ほんと、いくらでも先があるんだよね。たまに古い曲をやると、現在の自分達のあり方、〝今〟にフィットさせるためにもっと手を加えて変えていくことだってあるし。それに、聴き手が自分達の創作プロセスをフォローしていくことに対してオープンというかな、ある意味僕達のレコードは、そこから僕達が曲を発展させていく、色んなオープン・プロセスを聴き手が見ていくための極端な例、みたいに感じているというかな。要するに、本当に剥き出しの形というか、そこから何かがクリエイトされていくべき骨みたいなもの、という。だから、ライヴをやるのって、人々にこっちの様子を少し見てもらう、音楽がどんな風に進んで、またどんな風に動いていくか見てもらおう、そんなものじゃないかと思ってる。それって恐らく、自分達のスタジオに人々に一緒に来てもらうのに一番近いやり方なんじゃないかな。あるいは、リハーサル・セッションに来てもらうのに近いかも。
――常に音楽を生の場で発展させていくという姿勢は、今のミュージシャンよりも、むしろ40~50年代のジャズ・ミュージシャンに近いかもしれないですね。
エイヴィー:うん、僕達をそう形容する人もいるよね。フリー・ジャズの、現代的でよりポップな解釈、みたいな。まあ、それで僕達をジャズ・ミュージシャンにたとえる人もいるんだろうけど、自分ではそうは思わないし、僕達の誰もジャズの大ファンでもなくて、特に好んで聴いてきた音楽ってわけじゃないんだけどね。
――ええ、音楽創作に対するオープンさが近いな、ということです。
エイヴィー:うんうん。単に比較ってことだし、いいんだよ。でも、最近でもそういうミュージシャンは少なくないと思うけどね・・・僕達と親しいミュージシャン仲間の中では特に、同じようなやり方で音楽を作ってる者がいるし。音楽的には僕達とあまり似てないけど、なんというか、本当にフリー・フォーム、音楽構造の見方が違うというか、ポップ・ミュージックを別の切り口で捉えているっていうのかなあ。アプローチの仕方は本当に様々だし、彼らからはすごくインスピレーションをもらっている。僕達は音楽コミュニティの中で育ってきたわけだけど、そこではある意味、通常とは異なるアプローチであるとか新しいアプローチ、あるいは新しいエネルギーで音楽に対していくってことが基本にあるんだよね。

――(苦笑)新作はアリゾナでレコーディングしたそうですが、その理由は?
ディーキン:んー、プロダクションとはそんなに関係ないな。
ジェオロジスト:どっか別の場所に行きたかったんだよ。ニューヨークではこれまで何回かやってきたけど・・・。
ディーキン:アリゾナのツーソンって、砂漠地帯なんだ。で、「砂漠に行きたいよな」って話が以前出てきたこともあって、それで。
――その環境にサウンドが左右された、ということはあります?それとも、スタジオに入った時点で楽曲は完成していたんでしょうか?
ジェオロジスト:無意識のうちに影響されていた、ってのはあるかも。
ディーキン:その両方じゃないのかな。
ジェオロジスト:曲はほぼ完成に近いところまで仕上げてあったよな、ある意味。まあ、僕は常にサウンドのアイデアがあって・・・うーん、(笑)自分でも分からない!理由は説明できないけど、ただ、砂漠がぴったりに思えたんだ。自分の頭の中では説明がついてたつもりだったけど・・・こういう質問をされることになるって分かってたら、もっと考えておくんだった!
エイヴィー:(苦笑)。
ジェオロジスト:アルバムの音に関しては、こんな風にしたい・・・って話はしたけどね。シャープで、ノミで削ったようなものにしたい、とか。僕は以前砂漠で暮らしたことがあるんだけど、すごく綺麗でインスピレーションが湧く場所で。でも、砂漠の光景ってシャープなんだよ、どこかしらソフトな森とは違って。これって、実は日本ツアーで一緒に回った人から教えてもらった言い回しなんだけど、自然にしても、「ハードな自然」っていうのかな、たとえばサボテンだとか、厳しくて育ちにくい環境の中で育つから、砂漠植物はどれも固くて粗い見た目になるっていう・・・そういうことも(アリゾナで録音した)理由だったのかもしれないし、それと、ひとつひとつの音やメロディに空間を持たせるようにしたい、って話もしたっけ。どのサウンドもメロもちゃんと聞こえて、そのすべてに意味があるっていうか。ニューヨークに較べてツーソンみたいな場所は広大で開けてるから、何事にもたっぷり空間があるんだよね。僕が説明できるのはせいぜいこれくらいかなあ。
――前作に較べ、今作は弾むような快活さがあって、特にリズム・セクションに力強さを増したと思いました。ダンサブルなスペース・エイジのポップ・アルバムなんて感じたんですが、実際作品をレコーディングするに当たって、「今回のアルバムはトータルでこういうサウンドで」「こういうトーンで」とあらかじめ全員で話し合ったりするんですか?
エイヴィー:いや、毎回そういうことをやるわけじゃないし・・・それぞれの曲のサウンドについて話し合うことは、たまにあるけどね。僕がこのアルバムについて思うのは、今君に言われたことの多くが的を射ているんだけど、もっとタフなリズム・セクションがあって、まあ、ダブやヒップホップみたいな音とまでは言わないけど、あれに近い、ちょっと粗野な感じがするっていう。要するに音のボトムが前面に押し出されてるし、それと、SFっぽい、エイリアン・ポップ・・・なんてことは、自分達でも話し合ったりしたね。まあ、あるフィーリングを伝えるサウンドを形容するために、そういう語句を使ったってだけのことだけど。レコード全体のサウンドに関して、このアルバムでは、それをもっとやったかも。それに較べて、過去の作品のいくつかはこの曲の音はこんな感じに・・・って調子で、シチュエーションやイメージが中心だったと思う。「Feels」はもっと直感的に生まれたもので、全体のサウンドも自然にまとまっていった感じだったけど、対してこの作品は、僕としては1曲1曲がそれぞれ別のところからやってきたもののような、そんな気がしてる。でも、全部ひっくるめた感触はレコードに持たせたかったね。それぞれ、テーマ的にはアングルの違う楽曲なんだけど、パンチの効いた雰囲気があるっていうか。
――「Feels」は音がにじみ出てくるというか、不透明な音の塊のようなところが美しい作品でしたが、この作品はクリアで歯切れが良いですよね。
全員:(うなずく)
――今回はよりはっきりした構造を持つ、アニマル・コレクティヴ流ポップ・ミュージック作りへの試みかな?とも感じましたが。
ジェオロジスト:んー・・・そうなのかも?
ディーキン:いや、でも、それこそ僕達が深く考えたりしないことだけどね。(この作品に対して)そういう意見を言う人は、たぶん多いんだろうけど。
アヴェイ:聴いた人の印象ってことなんだし、それはそれでクールだよ。
――もちろん、人それぞれ「ポップ・ミュージック」の定義も違いますしね。
エイヴィー:うん。それに、ひとつ確実に言えるのは、聴いた側がどう解釈するか、それは僕達には分かりっこないっていう。僕は、自分達の曲の多くは「これ」という構造を持ってるって風に見ているし、明快なものにしていく試みをいつだって慎重にやってもいるんだけど、それが常にその通りになるとは限らないから。
ディーキン:でも、たとえば「本物のポップ・レコードを作ろう」なんて発想をしたことは一度もなかったけどね、僕達。「今こそそういうレコードを作る時だ」なんて、そういった会話はしたことがないし。
――これまでに、ライヴのエネルギーを盤に移すことができたことはあると思います?あなた達のライヴは毎回1回きりの素晴らしい体験ですが、あのエネルギーを「再現」するのは難しい?
エイヴィー:んー、ライヴをよく観に来てくれる人達の期待に応えるのは難しい・・・って感じることはあるね、僕は。ライヴをエンジョイして、そのサウンド面を気に入ってくれているのであれば、特にそう。でも、もしも僕達がライヴのエネルギーを本当にスタジオで再現して捉えようとするなら、たぶん、単純な話、ライヴ・アルバムを出すだろうね。というのも、僕達はスタジオ・サウンドとライヴ・サウンド、その両方持っていることにとても満足しているし、そのふたつはまったくの別物なんだよね。そんな風に聴き手にまったく別の何かを提示することができるわけで、ライヴでの体験はレコードでは得られない、と。僕達の中には歌とメロディ像があるんだけど、ライヴやステージで常にそのすべてを再現できないこともある、という点に多くの人が気付かないとね。というのも、PA面で問題があったり、僕達にだってライヴでプレイできる曲/できない曲があるから。一方で、スタジオでは思った通りにトラック・ダウンすることもできるけど、そこで(ライヴでの)エネルギーを多少放棄しなくちゃいけないことだってあるし・・・でも、今回のアルバムではそこをかなり上手くやれたんじゃないか、と思ってる。要するに、曲にそういうエネルギーを持たせるというか、パンチの効いた感じやライヴでのヴァイヴは、間違いなく伝わると思う。僕達の曲はぐちゃぐちゃ混沌としてワイルドになる時もあると思うし、今回はスタジオで時間をかけて、特定の鳴り方になるようにしていったんだ。
――日本も含んだ「Feels」ツアーは1年以上にわたったわけですが、その長いツアー経験も、今作でダイナミックなサウンドに向かった要因のひとつだと思います?
エイヴィー:それは言えると思う。すごく、このライヴな響きの音に慣れてたし・・・もちろん、「Feels」曲のサウンドにも相当なじんでいたけど、ただ、レコーディングした環境が違ったからね。「Feels」のレコーディングはとてもメロウだったし、一軒家でゆっくりのんびりって調子で、そこで僕は妻にも出会って、とてもくつろいだ感じで。それに対して、この作品は「決められたこの時間内にこれだけのことをやろう」なんて感じでスタジオ入りして、「さあ、いいテイクを録るぞ! ナイスなライヴ・テイクを録ろう」みたいな感じで。24トラックを1本のテープ以内に収めようって決めていたし、だからヴォーカル・ハーモニーを何層にも重ねるとか、そういう度を越したことをやろうってことにはならないわけで、とにかくある種の生のエネルギーを掴まえることができたらそれをそのまま残しておく、そこまでで満足する、そんな感じでレコーディングを始めていったんだ。ただ曲をモノにしていくより、ちょっと時間がかかるやり方はあったけど、それも持ちつ持たれつだと僕は思うよ、自分達にとって「これだ」と思えるレコードを作っていくためのね。
――アニマル・コレクティヴは常に音楽が一番で、個人のエゴやキャラクターが前に出ることなく、常に音楽が優先されている気がします。この、特定のイメージを持たない音楽集団、というイメージ・姿勢はどこから出てきたんですか?最近のバンドはブランド化しつつありますが、あなた達は音楽に語らせていると思うんですが。
ジェオロジスト:まあ、友人同士で始めたバンドだからねえ。でも、僕達としてもちょっと驚きなんだ。というのも、あれだけバンドやプロジェクトをやってきたのに、結局残ったのは僕達4人が集まったこれだけだっだっていう・・・ほら、ハイスクールの頃なんて、周りの友達みんな、3つか4つくらいバンドだのプロジェクトを掛け持ちしてて、みんなそれぞれ違うことをやってて。今でも覚えてるけど、ごく初期の頃は僕達全員おのおの違ったやり方で自己表現しようとしてたんだよ。力を置きたい点も各人バラバラで。だからいつだって緩い繋がりのユニットだったと言えるけど、思うに、バンドを結成するって決めた時、それらをひとつに束ねて同じことをやろうか、ってことになったんだと思う。
エイヴィー:(エゴが前面に出るのは)ある意味不可能だからね。というのも、僕達はいつも離れたところで暮らしていたし、みんな違う予定表の元に行動している、というか。常にお互いをリスペクトしてきたし、それぞれの暮らしのアジェンダを尊重してきた。だから、それを保つのは重要だと思ってる。
――バンド以外の場で、それぞれに異なる興味だったり活動を展開してるわけですね。
エイヴィー:うん、だけど、たとえばツアーをやらずに家にいるってことだって、重要な選択だから(笑)!人を集めて自分ちでパーティをやるとか、そういうことに時間を費やすのもね・・・ツアーをがんがん回るってのは、僕達にとっては簡単にできることじゃないんだよ。だから僕は、僕達はアニマル・コレクティヴが始まった時のままの状態に保とうとしているんじゃないか、そう思ってる。気が向いたらみんなで集まって、僕の家に来てジャムる、みたいな。アハハハ!
――そんなあなた達が、この4人で集まった時にもっとも大切にするものは?
ディーキン:共通するユーモア・センス!
エイヴィー:ハハハ!
――(笑)それは基本ですけど、それ以外に、たとえば4人で集まって音を出した時、他の人とは違う感覚がある、なんてことは?
エイヴィー:一緒にプレイする間は・・・そうだな、なんというか・・・感覚の欠如、みたいなものを感じる。ひとつの見方ってことだけど、要するに、一緒にプレイしている時は、他のことが一切頭の中から消えていくっていう。
パンダ・ベア:(突如沈黙を破る)というよりも、思考の欠如、じゃないかな。感覚の欠如というより・・・。
エイヴィー:うん、それそれ。ある「瞬間」にみんなで入っていくっていうのかな、自分達で作った、あるいは自分が書いた曲をみんなでプレイして、ただただそれを続けていって・・・そうやって演奏するのはすごく楽しいし、もちろん、その段階に至るまではいつも苦労するんだけど、そうやって顔を合わせてプレイするのは、本当に最高の喜びなんだ。
――でも、作品の評価も高いし、たとえばファンが寄って来て「最高!」と声をかけてくれたり、自分達でも「俺達イケてるかも?」なんて感じることがあるんじゃないですか?謙虚な姿勢を保つのは難しくない?
エイヴィー:んー、でも、僕達にとってとにかく重要なのは、何か新しいものをプレイする努力を怠らない、そういう熱意を保ち続けるってことだと思うから。そうすることで僕達自身エキサイトし続けられるし、だから続けていける。だから、これ以上新しいものが見つけられないとか、あるいは演奏してエキサイトしたりハッピーに感じられるものがない・・・そういう地点に自分達がもしも達したら、たとえまだ人々が僕達の音楽に関心を持ってくれるとしても、すっぱりやめると思う。
ジェオロジスト:でも、人々が僕達の音楽に反応してくれる、その理由がそもそもその姿勢、音楽に対するそういうアティテュードがあるからなわけで。
エイヴィー:ああ、うんうん。
ジェオロジスト:特にエゴだとかそういうものに関して言えば、僕達本当に利他的だし、自分のエゴを押し出すことなく、音楽を第一に持ってきたわけだからね。もしも「自分は優れたミュージシャンだ」なんて得意風を吹かしたりしたら、人は反応してくれないよ。
ディーキン:僕達は、だからいつも抵抗してきたんだよ、色んなプレッシャーにね。たとえば、自分達の気が乗らなければツアーしないとか。それって、他の多くの人間からしたら「ツアーは必須だ」ってもんだし、そこでプレッシャーも感じる。まあ、かっこよくスマートな決断を下してるつもりはないけど、ただ、自分達のやることすべて、あるいはその多くを、自分達もやってて興奮できるようなものにしたいんだ。たとえば自分達にとって不自然でしっくりこないことだとか、バンド活動に常について回る色んなことに自分達の身の丈を合わせるだとか、そういうことはしたくない。やろうと思えば、間違いなくこれまでもっとツアーもやれてたはずだし・・・充分にやってきたとは思うけど、1年のうち8ヶ月ツアーなんて言われたら、「なんで?」って感じだよ。というのも、その時間の中で僕達は様々な経験を積めるし、それを通じて自分達のクリエーションを生み出しるわけだから。要するに、自分達の普段の生活ともっと調和を見出していくってことじゃないのかな、「やらなきゃいけないからこれをやる」ってものではなくてね。

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