Live

08/11/15|Indian Jewerly/These Are Powers
13Nov2008/Barden's Bourdoir
08/11/14|Fleet Foxes
10Nov2008/Shepherds Bush Empire
08/11/07|Rolo Tomassi/Fucked Up
6Nov2008/Barfly
08/11/01|Release The Bats(ATP concert)
31Oct2008/The Forum
08/10/04|TV On The Radio
3October2008/Cargo
08/10/03|Iglu&Hartly
29Sep2008/Cargo
08/09/17|End of The Road Festival appendix
12-14September/2008 Larmer Tree Gardens
08/09/16|End of The Road Festival Day3
14Spetember/2008 Larmer Tree Gardens
08/09/16|End of The Road Festival Day2
13September/2008 Larmer Tree Gardens
08/09/16|End of The Road Festival Day1
12September/2008 Larmer Tree Gardens
08/09/10|Ponytail
4September/2008 Barden's Boudoir
08/09/09|Plush/The Autumn Defense
3Sep2008/The Luminaire
08/09/08|Rough Trade Instores
The Gaslight Anthem,The Breeders
08/08/30|Conor Oberst and The Mystic Valley Band
27August2008/The Electric Ballroom
08/08/14|Cold War Kids
11Aug2008/Bloomsbury Ballroom
08/08/05|Calvin Johnson
3Aug2008/Elizabeth House Youth Club
08/07/29|Daniel Johnston/Butthole Surfers
26July2008/Rough Trade East--The Forum
08/07/27|Fuji Rock Festival
25July2008/Naeba Suki Resort
08/07/25|The Flaming Lips
20July2008/Lovebox festival
08/07/14|The Magnetic Fields
10July2008/Cadogan Hall
08/07/09|Neon Neon
06July2008/Cargo
08/07/08|Beck/Morrissey
04July2008/Wireless Festival@Hyde park
08/07/05|Jandek
15June2008/The Nave
08/07/01|Glastonbury Festival Day2
28June2008/Worthy Farm
08/07/01|Glastonbury Festival Day1
27June2008/Worthy Farm
08/06/27|Pivot/White Williams
12June2008/Barden's Boudoir
08/06/25|Radiohead
24June2008/Victoria Park
08/06/22|My Bloody Valentine
20June2008/Roundhouse
08/06/17|Fleet Foxes
11June2008/ULU
08/06/12|Bon Iver
04June2008/St Giles In The Fields

2008/07/01

Glastonbury Festival Day2

28June2008/Worthy Farm

いつもながら不敵なXXティーンズ
野外フェスに不可欠な味キャラ、グリフたん
ロンの癒し声に安息
晴れれば最高なグラスト
穴馬馬券(?)ホワイト・デニム
ゴミはゴミ箱に入れましょう・・・

直射日光の下、テント内の熱された空気に息苦しくなり目が覚める。ここはどこ?私は誰・・・?と一瞬ぼうっとするが、寝袋の脇に脱ぎ捨てた泥まみれのブーツを見ているうちに記憶がフラッシュバック。朝10時。空を見上げれば昨日はついぞお目にかからなかった太陽がデンと構えているし、「あー、今日はドライなグラストンベリーだ」と徐々に元気が体内に甦ってくる。朝のカフェイン・ラッシュ行列で買うのに30分かかった貴重なコーヒーを飲み終え、支度を整えいざグラスト2日目に突入です。

ピラミッド・ステージの一番手は「ウェールズのエルヴィス」ことシェイキン・スティーヴンス。去年のシャーリー・バッシーなどグラストンベリーには毎年超ベテラン・エンターテイナーが数人登場するが(日本で言えば、ロック・フェスに熟年演歌歌手が出演するようなものか)、早起きのオールド・ファンを中心に結構な集客だ。さすがに演奏はプロだし、往年のヒット曲では早くもシンガロング。個人的にはまったく興味のないアーティストだが(トム・ジョーンズなら観てもいいけど)、老いも若きもエンジョイできる場がフェスティヴァル、という基本原則を思い起こした。続いて登場したマーサ・ウェインライトは、渋いアコースティック中心のセットとハスキーな美声で聴かせる。しかしなんというか、派手でディーヴァな兄の煽りを食ってか(?)どこか地味なのは観ていてちょっと可哀相になってくる。この人の場合はその上父ラウドンの話術を超えるというハードルもあるわけで、アイデンティティの確立が大変そう。
シーシック・スティーヴは、アメリカ産のホーボーなブルース親父。長い白髪ヒゲに白Tシャツ、サロペット・・・と南部の農場でコーン・パイプをくゆらしながらトラクターをゴトゴト運転してそうな好々爺だが、ギター+ドラムでスカスカ軽快に鳴らされるブギーなロックンロール~アメリカーナの楽しさ&キャラの良さで過去1、2年の間にイギリスで急激にセールスを伸ばしてきた人気者だったりする。それも頷けるほどチャーミングかつ愛嬌のあるおっちゃんで、スライド・ギター捌きからダンサブルなグルーヴまでシンプルな中にも味わい深いプレイを聴きながら、「ブラック・キーズも20年後にはこんな感じかもしれないなあ」などと考える。
食事休憩を間に挟み、南ロンドンの無頼漢XXティーンズのステージに向かう。ジョン・ピール・テントの手前に位置する「ダンス村」のひとつ=ダンス・イーストに登場したのだが、このダンス村エリア、各テントで競い合ってるんでしょうか?と感じるほど、とにかく音が凶暴にでかい。ダンス・ミュージックは大音量で聴いてなんぼ!という論は分かるけど、チープなテクノを爆音で見境なく鳴らされるのはたまったもんじゃないっす。しかし、そんなブータレ気分を覆すほどXXティーンズは素敵だった・・・登場BGMもブラック・キッズのリミックスからジョイ・ディヴィジョンに切り替わり、ワイシャツ+黒ズボン(ザ・フォール~ワイヤー系)の5人が登場。サンバイザーを被り全身雨具で覆われた女性ダンサー3人がマネキンみたいな風体で謎のへたうまダンスを繰り広げる中、ポスト・パンク直系のピリピリしたギター・サウンド+ツイン・ヴォーカル+タイトなビートがグサグサ刺してくる。その確信犯ぶりはあっぱれで、テントは正直ガラガラだったけど、この人達は満場でも客5人だけが相手でも同じパフォーマンスを繰り広げたに違いない。アレンジそのものはシンプルだが、メガホンやボトル・ネック使いなど何気に聴かせる音へのこだわりはこのバンドがガレージ・ロック文脈を押し広げようとしているのを感じさせるもの。デビュー・アルバムが楽しみだ~と思いつつ、代表曲「Darlin」のやさぐれビートもばっちり決まったところでジョン・ピール・テントのホーリー・ファック(fromカナダ)。
ブラック・マウンテンの密度とファック・ボタンズのサイケな覚醒感の融合を期待・・・していたのだが、上手いジャズ・フュージョンみたいで1曲で飽きてしまった。ごめん。そのまま居残りブリティッシュ・シー・パワーを観ようかなとも思ったが、フロリダのやんちゃポッパー=ブラック・キッズはやはり逃せないのでアザー・ステージに移動。Vo君の声のキュートさはもーマジに特筆もので、やっと雲が切れてきた青空の下名曲「I‘m Not Gonna~」のジューシィに弾けるポップネスに踊り狂ったのは楽しかった。ゴー!チームが好きな人なら絶対ハマるバンドだろう。お次はライヴ初体験になるネオン・ネオン。SFAのグリフたんとUSアングラ・ヒップホップの才人ブーム・ビップ様のユニット――なんだけど、これが期待を上回る素晴らしい出来映えだった。予想通りキーター(=肩から吊るすギター型のキーボード。ヤン・ハマーやハワード・ジョーンズがよく使ってた80Sアイコン)も使ってくれて爆笑だったし、ステンレスの光沢を帯びたトープのスーツ姿+サングラスが渋いグリフ&ビップはさながら「マイアミ・ヴァイス」の現代版か。ビップ先生がキーボードやサンプラーを操る中、デジ・ドラムのエコーがなんとも懐かしい「Neon Theme」のイントロがテケテケとスタート。ステージ前方に2台しつらえられたディレクターズ・チェアにグリフが着席、ポッピーな「Dream Cars」であの物悲しい声が聞こえた瞬間泣けてしまったし、どの野外フェスにもSFAの要素(SFA本体じゃなくてもいいんだけど、そのエッセンス)は不可欠なんじゃないか?と思った。それくらい、彼の声にはネイチャーとヒューマニティが交錯する唯一無二のスピリットが宿っている。
「ジェイムス・ブラントを観たい人はそろそろ(ピラミッド・ステージに)移動した方がいいですよ~」のほんわかMCで観客を爆笑させた後、シンディ・ローパーを想起させる名曲「I Told Her On Alderaan」がキック・オフ、ノリのいいスパーキーなポップ・メロディにみんな踊り出す。座ったままカウベルをカンカン叩くグリフがなんともかわいかったデジ・ファンキィな「Raquel」、ベース奏者の女史と交互にマイクをシェアする様がカラオケ・バーみたいで笑えた安っぽくもアダルトなムードの「I Lust U」を経て、「スペシャル・ゲストを招びたいと思います」のアナウンスと共に我らがパーティ男:ハーマー・スーパースターが登場~~!長いフリンジのベスト姿(裸じゃなくてホッとしたよ・・・)で登場したムーミン体型の彼はかつてのアンドリューWKを彷彿させる天然のパーティ番長で、「Trick Or Treat」で達者なラップを聴かせたばかりではなくブレイク・ダンス(肩と首だけで倒立→両足V字で30秒近くポーズを決める身体力には恐れ入りました)も披露し盛り上げる。続く「Michael Douglas」で踊りまくり、スリージィな味が抜群な「Sweat Shop」でもダイナミックで下品なハーマーのプレゼンスは光りまくり。フジ・ロックでも絶対この人を連れてきてくださいね、スマッシュさーん!と願わずにいられなかった。というのも、ネオン・ネオンのライヴは盤以上にシアトリカルかつコンセプチュアルで、グリフがMCで1曲ごとに曲のシナリオ/意味をラヴリーなウェールズ訛りで解説(あのMCをそのままレコードの曲間に入れれば良かったのに・・・)してくれたように、「スーパーカーの製作者ジョン・デロリアン」の生涯をストーリーテリングしていくミュージカル風な設定上、キャラの援用は(ゲスト参加した全員は無理としても)不可欠だと思う。メンバー紹介の際ハーマー・スーパースターを差して「デヴィッド・クロスビー!」(ハゲで巨体だからそれも分かるが)、ブーム・ビップを「スティーヴン・スティルス!」と呼ぶ茶目ジョークを経て、アルバムのタイトル・トラック「Stainless Style」に流れ込む。全員手を繋ぎ、観客にお尻を向けてのお辞儀フィナーレまで、ユーモアとエクセレントな音楽センスが光るショウ。NNの前にティーンエイジャーズを観ていた知人は彼らのことも「ダサい80年代ノリが楽しかった♪」と評していたけど、ティーンエイジャーズがアイロニカルな表層パスティーシュに聞こえるのに較べ、NNはリアル・タイマーとしての愛情――今こそ笑い種のマレット・ヘアーもダサいキーボード・ソロも臭いパワー・バラッドも、当時はリアルだったんです――がそこかしこに感じられたし、その分センチメンタルなパロディとして秀逸だったと思う。たぶん。

この日初のザ・パークへ向かい、上り坂をえっちらおっちら越えるうちに(可能な限り我慢していたのだが)遂にグラストのトイレ初体験・・・いわゆる汲み取り式で、1度体験したらもう2度と使いたくないと思うシロモノ、と断言。筆者はかなり鼻が敏感な方なので、気温が上がるたび強度を増すトイレ・エリアの臭気(特に男性専用トイレ)には今回かなり参らされました。ともあれパーク・ステージに着くと、シークレット・ゲストとして登場したケリス・マシューズ(カタトニアの彼女です)が管弦奏者を引き連れてアコースティック・セットを展開しているところ。偶然とはいえなんだか朝からウェルシュづいてますな。
目当てのクール・キースは、DJとサポートのラッパーを加えた3人編成で登場。ルーズでアシッド、PCなど知ったこっちゃないおバカ&エッチなフロウ(「G-Spot」とか、女だとコール&レスポンスするのが赤面ものっす)でオーディエンスを陽気なパーティ・ヴァイブに引きずりこんでいく。とはいえ、やっぱり一際盛り上がったのはドクター・オクタゴンのトラック群だった。続いて、MGMT同様3日間のうち2回出演の人気ぶりを誇るヴァンパイア・ウィークエンド@ジョン・ピール・テントをちょこっとだけ観戦。もう何度も観てるから別にスルーしてもよかったんだけど、グラストでの反応をこの目で確認しておきたかったのだ(←ほとんど母親気分)。愛されバンドだけに全曲シンガロング!のホットな一体感もばっちり生まれていたし、エズラのフロント・マンぶりも常以上にパッショネイトでアクションもやや派手。以前からイヤミのない自信と謙虚さのバランスがいい(=ねじれたコンプレックスや自意識が欠如した)優れたフロント・パーソンではあったけれど、この日は大テントから溢れるビッグな観衆を前に、「UKオーディエンスを掌中に入れた!」という感動がストレートに出ていた模様です。若いっていいね(ウルウル)。「Oxford Comma」のライトなビートに揺れ、マイ・ファイヴァリット=「Walcott」の合唱に参加しピラミッド・ステージ:ラカンターズに移動。エイミー、ジェイ-Zとメイン・アトラクションが集中する土曜日だけにフィールドは既にかなり埋まっている。ジャックどんはいつもながらギター弾きまくりで、場のノリは完全に70年代ロック・コンサートのノリ(笑)。にしても、更に頬がこけたブレンダン・ベンソンの痩せ方が心配ではある。ヒロイックなマヌ・チャオのカリスマ(この人もジョー・ストラマーの息子なんだろうな)とポーグスも顔負けのスカ~ジプシー・ビートでしばし踊っていたが、夕方の疲れがピークに達したのでロン・セクスミスに癒してもらうことにする。Qマガジン主催テント=Queen‘s Headの集客は地味ながら、エレアコ1本を友に歌い上げるロンの歌声(この人は声とギターだけで成り立つので、バックにバンドがいるよりもソロで観る方が好きだったりします)はやはり別世界の美しさでしみる。ファーストの「Galbraith Street」を久々に聴けたのも嬉しかったです。そのまま待機し(この間、テント脇の藪に立ちションする男性諸氏を多数目撃)、テキサスからやって来た暴れ者ガレージ・ロッカーズ=ホワイト・デニムを迎える。アルバムの評判がいいので楽しみだったこのトリオ、1曲目からプログレ・パンクなインストをブチかまし場内を沸かす。ナイス!最前列では長髪の親父ががんがんにヘッドバンギングしているぞ!(笑)予測のつかない曲展開といい電撃シュワッチ系のインタープレイといい、息もつかせぬ無闇なエネルギーを発現しつつそれでいて知的なアレンジとタイトなコントロールが一貫している様はとてもフレッシュで盛り上がった。ブルー・チアーやストゥージズが比較対象に挙がってるけど、むしろミニットメンのファンではないだろうか、このバンド?有望な愛すべき変態USバンドのひとつとしてしっかと脳裏に名前をメモらせていただきました~。

というわけで遂にお待ちかね!エイミー・ワインハウス姐。ドラッグ禍、復活ギグ@ポルトガルもふらふらでブーイング、グラスト直前に肺の不調で入院・・・と相変らずゴシップねたオン・パレードの彼女、前日ロンドンで開催されたネルソン・マンデラ90歳祝賀コンサートに現れたこともありさすがにドタキャンはないだろうと踏んではいたものの、ピラミッド・ステージに近づくにつれあのドスの聴いた声が風に乗って聞こえてきて「あ、本当にエイミー来てるわ」と安心させられる。広大なフィールドはほぼ埋まっていて、3基設置された大モニターに映るダーク・ブルーのミニ・ドレス、雲突くビーハイヴ+ヘアー・エクステンションに刺された安っぽいカクテル用パラソルを見守る。生エイミー初体験の同行者は彼女の割り箸並みにやせ細った手足を見て「OMG」と絶句しているし、巨大スクリーンが残酷に映し出すフェイク・タンで染まった肌はドラッグの爪痕でボロボロ――と書くと何やら悲壮感いっぱいだが、エイミー本人は合間にサイダーやワインをガブ飲みしつつ最初のうちは機嫌よし。優秀なバック・バンド&ダンサーにサポートされつつ、(声が時折掠れる場面もあったものの)「Back To Black」を歌いきる根性&情念は見上げたもの。病み上がりの人間とは思えないヴァイタリティだ。
「オッパイ飛び出しちゃったぁ。誰か受け止めて~!」とドレスのカップからハミ出した胸をぐいぐい押し込み、1曲ごとにズレた髪の位置を直す無邪気な天然ぶりを最初はみんなあたたかく見守っていたが、バカ夫ブレイクの釈放予定を嬉々と語り、カニエ・ウェストをコテコテにディスるなど曲間MCがだんだん笑えなくなってくる。たまに通りでブツブツひとりで喋ったり素っ頓狂に叫んだりする人(大概アル中かヤク中)に出くわすけど、あれに近いサイコティックな光景というか。歌っている間は素晴らしいだけにそのギャップは観ていて痛かったし、UK労働者階級から成り上がったすれっからしな今時UKガールの典型(場末な南ロンドン出身のケイト・モスもそうだけど、いわゆるCHAV=日本で言うヤンキーなんだと思う)であるいわば「珍獣」な彼女が、良識ある中流オーディエンスが大半を占めるフェス:グラストンベリーの面前でどれだけバカをしでかしクレイジーに振る舞うか、嘲笑の瞬間を固唾を呑んで見守るかのような場の空気――無制御に怒り狂う雄牛を制したマタドールに喝采が注がれる、闘牛を思わせる見世物――にはいたたまれなくなってしまった。もちろん真性ファンもたくさんいたと思うけど、あれは一種の集団窃視~リンチじゃないだろうか?スペシャルズ「Message To Rudie」のカヴァーまで聴いて場を離れることにしたが、この後プレイされた「Rehab」では(ネットを駆け巡った)「オーディエンス肘鉄事件」も起きたという。客のひとりがエイミーの身体に触ろうとしたから云々その背景ははっきりしないものの、大々的カムバックの場が物笑いの種になってしまったのはとても残念。もっとも、タフなバックグラウンドを捨てない彼女だけにしっかり甦ってくれるだろうと信じている。
エイミーを切り上げパーク・ステージに向かったのは、MGMTのラストを(まともな音響で)観たかったから。サマー・アンセム「Time To Pretend」の盛り上がりをどうしても体験したかったのだ~。しかし丘を登るうち「Time~」が聞こえてきて、ちゃんと観れたのはオーラス「Kids」のみ。あうーん悔しい!しかしびっちり詰まったフィールドはもちろんステージ袖から見守るミュージシャンの数も半端じゃなく、激烈なギター・ソロに彩られベン&アンドリューがマイクを仲良くシェア(ラヴリー★)した「Kids」は文句なしの出来映え。終演後、各ステージにちらばるべく退却した「民族大移動」オーディエンスもエンエンと「パ・パ・パ・パ・パーララッパッパー!」のあのクセになるキーボード・ソロを合唱していて、MGMTの勝利を実感したのでした。そこからメイン・ステージのジェイ-Zに戻ろうとした・・・ものの、直進ルートにある入口は強烈な混雑で身動きがとれなくなってしまった。「物議を醸した話題のラッパーを一目」と誰もがフィールドにわしわし駆け込んだようで(明治神宮の初詣を想像ください)、にっちもさっちもいきません。あのままおしくら饅頭していても仕方ないので、遠回りながら裏手の迂回ルートに逃れ、フィールド後方に無事紛れ込む。にしてもすさまじい集客。18時台のラカンターズ、21時のエイミーもすごいと思ったが、フィールドぎりぎり=キャンプ・サイトまで見渡す限りオーディエンスで埋まっていて、筆者にとってこの壮観な光景に匹敵するのはオアシス@グラスト(04年)以来。えらいこっちゃです。
その株式会社オアシスの筆頭株主=ノエル・ギャラガーがジェイ-Zのヘッドラインを「(ヒップホップがトリ?)冗談じゃねーよ!」と一笑に付したのが今回のグラスト事前ハイプの元凶だったわけだけど、モニターにブッシュ、金正日、ゴードン・ブラウン(現英首相)のニュース・リールからファレル他セレブまでマッシュアップした映像を流しつつ、ノエルの「Jay-Z?No Chance!」発言のエコー(わざわざこのラジオ音源を買い取ったそうです)に集約していくオープニング・ショットは鮮やか&痛快だった。イギリス人のように人種差別問題まで含める気は毛頭ないが、自分が懐切って主催するフェスでもないのにヘッドラインにケチをつけるノエルの思い上がったDickheadぶりにはやはり誰かお灸を据えるべきでしょう。まあ、グローバルなロッカフェラ帝国の取締役であるジェイ-ZとUKローカルなロック会社オアシス社長とじゃ、始めから勝負は決まってるわけだけど。
大喚声の中現れたジェイ本人は、なぜかギターを首から提げてる・・・と思いきや、掻き鳴らされたのは「Wonderwall」のイントロ(!)。ジョークに爆笑したのは筆者ばかりでなくオーディエンスも大受けで、フィールドにこだます合唱が後に続いた。そこからメタルなギターが炸裂する「99Problems」に畳み掛け、今夜のCEOはなんだかんだいってロック・モードじゃのうと感じる。「俺の名前はジェイ-Z。マジにグレイトだよ!」の決めMCはかっこよかったものの、オープニングが強烈だっただけに徐々に尻すぼみしていったのは否めない。エイミーの「Rehab」を織り込んだりUK大衆へのアピールから始まりつつも、長いフリースタイルの後に「Fuck Bush!」のメッセージを吐き捨て、続いて背後のスクリーンにはオバマが映され・・・と、Bonnarooに来るようなリベラルなアメリカ人はまだしも、ハッピー&ディッピーなイギリスのフェス客にはちと荷が重いポリティカルな内容なんじゃないでしょうか。パフォーマンスそのものは熱のこもったものだったけどね。「Hova」を聴きつつ退却し、星空の下ひっくり返り、ジャズ・ワールド・ステージを(地味ながら)バキッと炎上させたエチオピークのアフロ・ビートを堪能しつつシメました。

疲労困憊の果てに倒れるようにテントに飛び込んだのは深夜もとっぷり更けてからだったが、翌朝日曜はロンドン帰還もあって8時には目が覚める。ヴァーヴはどうでもいいがレナード・コーエンを観ずに帰るのは強烈に心残り・・・とはいえ、3日目もエンジョイしていると痛い目に遭うので(帰りに駅員に聞いたら、月曜の一番列車は4千人近くがローカル駅に集結するんだよ、とのこと。マイカー族はともかく、電車で2時間立ちっぱなしはきついっす)テキパキと撤収準備に取り掛かる。しかしせめて朝のコーヒーは一杯飲みたいのでゲスト・エリアのカフェ開店を待っていたら、朝もはよからグラサン姿のアレックス@アークティック・モンキーズとGFアレクサ・チャン(=TVタレント/モデル)が仲睦まじくお手々繋いで歩いている姿を目撃。今年1月近所で見かけた時もラヴラヴ状態だったけど、半年近く経った今も続いてるようですねー。めでたい。遊びに来てるんだ?と思いきや、後で家に戻ってネットをチェックしたら前日ラスト・シャドウ・パペッツがシークレット・ゲストで出演していたそうで納得。にしても、アレックスと身長は変らないのにアレクサの方が足が長い(腰の位置が遥かに高い)のにはちょっと笑ってしまった。しかし10時にならないとカフェが開かないようなので、24時間営業の売店が散逸するサイト内へ移動。コーヒーと朝ごはん(目玉焼き・ベーコン・ソーセージ・マッシュルームがバゲットにブチ込まれたごついシロモノ)をモリモリ平らげつつ、次回はいつになるか分からないけどまた会えたらいいね・・・とグラストンベリーに別れを告げ、12時半発ロンドン行き電車に乗り込んだのだった。


Glastonbury Festival Day1

27June2008/Worthy Farm

金曜:泥の行軍
え、炎上?ゴシップのステージ
ザ・パークのジョン・ケイル(見えませんが・・・)

うーん久しぶり~~ということで、今年はTV桟敷を抜け出しグラストンベリーに行って参りました。実に4年ぶり・・・久々のテント生活・・・やっぱり泥は避けられなかった・・・トイレに悶絶させられた・・・など色々あったけど、キングス・オブ・レオンの栄えある初メイン・ステージ・ヘッドラインをなんとしても観たい!という一念を貫くことができて、まずは大満足です。

フジ・ロックのお手本とも言えるグラストンベリーは、基本的にひとりで行くものではない。もちろんひとり用のテントだって買えるし、不可能ではない。筆者のように音楽以外あまり興味がなく、友達を作るとか飲み食いは大して気にならない人間には、そういうスタイルの方が合っているのかもしれない。しかしひとつの町がまるごとフェス・サイトという隔絶された状況(観客数は15万強)で、3日間ひとりぼっちでサイトを歩き回るのは案外酷だったりする。これまでフェスで危ない目に遭ったことはないものの、女ひとりだと何かと不便&不安ではあるし(単純な話、ちょっくらトイレに行くだけでも荷物を全部持ち歩かなくちゃいけないしね)、今回は同行者に恵まれて本当にラッキーだった。
キャンプ・サイトそのものは水曜からオープンするが、筆者は金曜午後にサイト入り。ロンドンから電車で約2時間~会場Worthy Farmの最寄駅=キャッスル・ケアリーはローカル線の実に小さな眠たい駅で、1年に1度やって来るバックパックやリュック装備の大群にびっくりしているようにも見える。待機中の無料シャトル・バスに乗り込み、いざ会場へ。既に会場入りしていた知人が「昨日の大雨で泥がすごいよ~~」と携帯メールで前もって警告してくれていたが、グラストンベリーでもっとも気がかりな天候は既に崩れ気味。見渡す限り、空は灰色の雲に覆われている。オーマイガー!小雨が打ち始めた車窓に囲まれちょっと不安に沈みつつ、バスで隣に座った若者と話していたら彼はバンドを観るよりコメディ・テントに行くのが目的なんだと話していて、色んな人が来るのだなぁと実感。
チケットもぎりエリアを過ぎ、場内へ。うわーお、やっぱり泥!ヌルヌルだよ!すさまじい大雨だった昨年や「ふくらはぎまで水に浸かってポーティスヘッドを観た」98年の比ではないのだろうが、10分ほど歩いただけで都会人にはもう足が重い。泥に泥が重なり、3センチくらいヒールが高くなってしまう上に滑りやすい土質なので動きに慣れるまでちょっと時間がかかる。捻挫する人間がいるってのも頷ける話っす。とはいえ駅到着からテント設営~一息つくまでに約1時間で、降ったり止んだり/パラつく雨程度だったので進行そのものはスムーズ。
グラスヴェガスもサントゴールドももう出番を終えていて悲しかったが、22:45登場のKOLまでかなり時間があるので気を取り直しまずはサイトを動き回ることに。メインのピラミッド・ステージではちょうどザ・フィーリングがプレイしているところだった。ELO~クィーン系プログレ・ポッパーとして愛聴したもののいまひとつずっこけたセカンド・アルバムにはノれなかった彼らだが、演奏はやはり達者。A-Haの「Take On Me」カヴァーなど、いい意味でも悪い意味でも「楽しければなんでもOK」なフェス客を喜ばせるベタなツボを心得ている。霧雨の中でもノースリーヴ姿だったダンのゲイな心意気も素敵だ。しかし朝から何も食べていなかったので猛烈にお腹が空いてきて、手近にあった屋台へGO。普段の自分だったら絶対手を出したくないフライド・チキンとポテトにがっつく。腹具合は収まったものの、あの量で5ポンドってのはぼったくりだろう・・・以降、食事&酒制限を自らに課すことにする(フェスでは時間つぶしのため飲み食いする機会が増えるので無駄遣い要注意です)。そのままピラミッドに居残り、曇天の下ザ・ゴシップ冒頭を観戦。火事ですか?と感じるほどスモークを焚きすぎでステージが見えないイントロには失笑してしまったが、フラッパーなボブ+紫のマキシなジャンプ・スーツ姿で現れたベス・ディットーの弾けた元気のよさは相変らず。「Listen Up」のエネルギッシュなイントロ~シンプル&パキッと立ったディスコ・パンク・サウンドをバックにサイトの隅までよく通る声を受け、小雨と風にグズっていたオーディエンスもたちどころに活気づく。規格外の体型からセクシャリティまで「出る釘は打たれる」の典型で煙たがられがちなハードコア・パンク・キャラではあるが、何事にも動じずマイ・ウェイを貫くベスのスタンスはパフォーマンスの端々に自信として現れていて見ていて気持ちいい。ジェイ-Zへのラヴ・コールも、病に倒れたロング・ブロンズのドリアンに向けての応援メッセージも見事不発に終わっていたが(メイン・ステージ初日午後のお客がロング・ブロンズの災厄など知るわけもない)、まったくメゲずにショウをCarry Onしていくのはあっぱれだった。
「Standing In~」はやはり聴きたかったけど、フェスといえばいつもはなかなか観ないアクトを観るのも醍醐味のひとつ――というわけで、ジャズ・ワールド・ステージのループ・フィアスコに向かう。今年の土曜ヘッドライン=ジェイ―Z抜擢の是非を巡る論議は雪球式に膨れ上がるハイプになったが、その話題性の余波も手伝ってか(?)弟分ループはかなりの集客。「Superstar」のヒットも大きかったんだろうけど。もっとオタクでマニアックなステージになると期待していたが、冒頭にジャスティスをサンプリングして「おおっ」と思わせたくらいで、後はカニエ型のラグジャリーなライト・ショウ+洗練されたライムが続く。フェスの野外ビッグ・ステージではDJのターンテーブル技やラップの味などディテールは掻き消えてしまいがちだし、フックが弱いとこちらのアテンションも持続しないようだ。しかしオーディエンスの反応は上々で、「Hiphop Saved My Life」「Kick&Push」とヒット曲の連発にコール・アンド・レスポンスが生まれていた。

アザー・ステージ(セカンド・ステージ)に移動、フォールズのラストを見守る。ツアース続きでへばっているかと思いきや逆にテンションが研ぎ澄まされていて、高音ギターのエッジもヤニスのロバスミ声も鼓笛隊状態でドラム合戦~チャンバラ(笑)じみたメンバーのアクションも冴えていて◎。「Red Socks Pugie」「Electric Bloom」と、アグレッションにスペイシーな感覚が混じる独自のサウンド・スケープをきっちり展開してくれた。次のアルバムで包容力のあるスロー曲をモノにできれば最高だろう。今年出演した新人の中でもっとも話題を集めたアクトのひとつ=MGMT(この他人気を集めたのはヴァンパイア・ウィークエンドとチ●チンズ・・・もといティン・ティンズ)は間違いなく混むので、早めにジョン・ピール・テントへ向かう。NME読者型ヤング・ファンが集中するこのステージ、テントとはいえレッド・マーキーを3倍にしたくらいの巨大空間(今年からサイズが2倍になったとか)で外にはモニターまで設置されている。キルズのケツだけ観れたが、テント外まで観客がはみ出した意外な人気ぶりに「ケイト・モス効果?」とつい突っ込みを入れたくなってしまう。大ステージにふたりだけ・・・の寂しさ・単調さをバックに映像を流すことで緩和したのは正解だし、「Cheap and Cheerful」のポップな振れ、ストレートに吐き出す「Fried My Little Brain」など分かりやすくて受けもいい。スタイリッシュな臭み=かっこつけをやっと捨てることができるようになったみたいです。
しかしオーディエンスはそのまま居残るばかりか、新たに流れ込んできた客と合わさりズンズン膨らんでいく。出演予定時間を軽く過ぎただけで喝采とMGMTコールが場内に湧き起きるくらい期待感はとんでもなく高いし、サイケでネオ・ヒッピーな彼らのイメージがグラストンベリーのヒッピー・ヴァイブとみごとにシンクロしていることを思えばそれも当然だろう。実際、去年までのヤングUKフェス・ルックの主流だった<トリルビー帽+ベスト+スキニー・ジーンズ>(ピート・ドハティやエイミーの旦那を思い起こしてください)は、この3日間で<80Sサングラス+ヘッドバンド>に取って代わられてしまったほど。ファッションは移り気ですな。たぶんマイティ・ブーシュの次シーズンではノエル・フィールディングがMGMTをパロることだろう。個人的には3月に観た時の物足りなさをどこまで挽回してくれるかがポイントだったが、「Weekend Wars」から始まったセットは音の厚みを増していて、ギター2本使う意味も出てきたしキーボード・ソロなどライヴ向けに変えたアレンジも効果的。やっと生演奏での足場ができてきたようでほっとしたものの、「Future Reflections」などテクがモノを言うプログレ度の濃い楽曲やスペース・ロックは、やりたいことのヴィジョンや野心はよ~~く分かるがまだ100%実現できていない=頭でっかちな展開に陥っていってしまった。嗚呼・・・(涙)。決め技「Time To Pretend」と「Kids」さえあれば盛り上がりは確実なので今はいいけど、もっとツアーをやってバンドとしての足腰を鍛えてほしい。ちなみにこのテント、立つ位置によって音のヴォリュームがまったく違うのには驚いた。広さを2倍にしたのはいいが、PAも2倍にしてくださいな。
と言いつつ途中で切り上げ、ジョン・ケイルを目指し去年から新たに設置されたザ・パークへ向かう。丘陵のふもとにある最果てのエリアにあるこのステージ、フジで言えばホワイト・ステージ+フィールド・オブ・ヘヴンと言ったところ。優に1マイルは泥とぬかるみの中を歩く羽目になり、マジ疲れた・・・が、ここはほんとPAが優秀!ピラミッド・ステージやアザー・ステージのように横殴りの風で音が無残にちぎれることもなく(ステージ背後から観客に向けて風が吹いている)、バトルズ、CSS、マイ・モーニング・ジャケットらを取り揃えたラインナップも比較的筆者好み。今回のサプライズ・ゲスト(っつっても事前にアナウンスされていたのだが)フランツ・フェルディナンド、ラスト・シャドウ・パペッツが登場したのもここだったし、グラストンベリーの主マイケル・イーヴィスの後継者である娘さんエミリーが仕切るこのステージ、今後人気ステージとして伸びていくに違いない。
ピンクのシャツ姿がかわいいジョン・ケイルは、ベテランの隙のない熟練ぶりとキーボードからエレクトリック・ギターへ溌剌とスウィッチしていく若々しいエネルギーの同居が実にチャーミング。1曲目からワイルドな「Heartbreak Hotel」、「Paris1910」(←号泣)、ディストーションを効かせたアヴァン・ロック「Dirty-Ass Rock’N Roll」、「Pabro Picasso」(ジョナサン・リッチマンの方が有名だけど)などフレッシュな息吹を注入されたアイランド時代の代表曲が続き、70年代ヴィンテージ・ケイル・ファンとしてはたまらない展開だった。VUやイーノ、テリー・ライリー、パティ・スミスとのコラボなど前衛イメージ~アート色の強いこの人だが、その根っこにはシンプルなロックンロールへの愛が息づいている。だからルー・リードとも共演できたのだなぁと思いつつ、ちょうど「Berlin」ツアーで欧州に滞在していたルーが近年ディーヴァ型の仰々しさとシワを増しているのに較べ、ピンクが似合うエレガントな熟年に進化したジョン・ケイルの方が幸せかも?などと考える。ちなみに、ステージ袖ではヴァンパイア・ウィークエンドの面々がNY先達の勇姿を見守ってました。

一日中パラついていた雨も止み、いよいよトリ=キングス・オブ・レオン!開演20分前にはスクリーンにバンド・ロゴが浮かび上がり、幕間BGMもストーンズ「悪魔を憐れむ歌」、ジミヘンなどロックンロールな空気を演出していく。基本UK色の濃いグラストで若いアメリカのバンドがヘッドラインを務めるのはそれだけでも重荷だし、去年のキラーズがお茶の間も巻き込むレベルのポップ・バンドであるのに対し、KOLは骨の髄までロックンロール・バンド。実際、集客がもっとも多い土曜ほどにはフィールドも埋まっていなかった。しかし無謀にも――というか、このバンドの場合リスク承知の賭けなんだけど――ニュー・アルバムからのファンク・メタルな新曲でキック・オフされたステージは、自らのポテンシャルを出し切ろうとする火事場の馬鹿力型ド根性に貫かれた一種異様な迫力に満ちたものだった。3曲目に登場した人気曲「Taper Jean Girl」あたりから演奏に火がつき、「My Party」の逞しい白熱でバンドの緊張もほぐれたよう。マシュー&ジェアドのヤング・チームは早くもノリノリで、以降シャープなソロやリフの応酬は最後まで小止みなく続いた。軽い挨拶の後、バックにモノクロのカウボーイ映像を従え始まった「King Of The Rodeo」のタフ+ドラマチックな哀感にオーディエンスも一際大きく揺れ、現KOLの誇るタイトなファンクネスで力強く生まれ変わった「Wasted Time」もみごと。The Whoを思わせるイントロのアンセミックな「Fans」で大合唱が巻き起こり、「Arizona」でケイレブのしょっぱい歌声をじっくり聴かせた後、ミニマルかつ陰影に富んだ名バラッド「Milk」に突入。ライターかざしたくなる光景だったし、初期からKOLを支持してきたイギリスで観るとやっぱ観客の熱やノリが違うのを痛感。
折り返し地点でケイレブが観客に語り始める。「あんまり喋らない性質だけど、今夜は話すよ」と切り出した通りライヴ中ほとんどMCをやらない無愛想な彼だが、「2003年6月28日に俺達は生まれて初めてフェスに出たけど、それがここグランストンベリーだった。それから今日のこの地点まで、なんとか進んできた。みんなに感謝!」という誠意ある台詞(&ウィスキー飲み干し)に送られたあたたかな喝采にはやはり泣けた。このバンドを筆者が始めて観たのも03年のUS初ツアーだったけど、音源デビュー前で当時無名なだけに会場(アセンズのバー)に観客は20人もいなかったっけ。大きくなったなあ・・・と半ば母親気分(笑)でウルウルしてしまったし、そこからなだれこんだデビュー曲「Molly‘s Chambers」のテンポを弱冠落としたヘヴィなボトム、「California Waiting」の肉付けされたスケール感には5年の重みと経験が凝縮されていて大満足。オーディエンスに一体感を生み出した「On Call」の美しさで頂点を刻み、終盤「Pistol Of Fire」「Spiral Staircase」のトルネード・グルーヴ連発を経て、エモーションをワイドに引き伸ばしギターがブルージィにむせぶサザン・ロック「Trani」でビッグに大団円。兄ちゃんの長いドラム・ソロから始まったアンコールその①「Knocked Up」もそうだが、スロー/ミッド・テンポ曲をパノラミックに聴かせるのが本当に上手くなった。「Slow Night~」の余韻で締め括る展開もなんとも憎いし、もう1曲披露してくれた新曲も抜群にかっこよく、新作4thに期待ががっちり募った。レディオヘッドやコールドプレイ、オアシスといった安全牌ヘッドライナーを切る方がフェスにとっては安心だろう。今のように猫も杓子もフェス景気に翻弄される状況なら、確実にチケットを売りさばけるベテラン10年選手を確保するのは死活問題とも言える。しかし、長期的な視点に立てば次世代ヘッドライナーを育てていくことこそ人気フェスにとっての大課題。アークティック・モンキーズやキラーズ、KOLといった面々に「ヘッドラインは早すぎる」という意見が出たのも分からないではないが、ガラスの天井を打ち破って若手に門戸を開かない限り、同じアクトが3、4年サイクルでヘッドラインを持ちまわる状況に陥るのは目に見えている。その意味で今回のKOLは挑戦だったけれど、バンドはその挑戦をみごと受けて立ってみせたと思う。


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