会場に到着、初日トップ・バッターを飾るサブ・ポップのはっちゃきポートランド・パンカーことザ・サーマルズのステージに向かう。観客もまだ二日酔いに苦しみ始める前で元気が良く、一番手が盛り上がるのはフェスの常・・・としても、センター・ステージは盛況。ブレンダン・キャンティがプロデュースした目下の最新作「The Body,The Blood,The Machine」からの楽曲も小気味好くヒットしていき、バズコックス~初期グリーン・デイを思わせるスリー・コード・ポップのつるべ打ちにすっかり筋肉がほぐれました。ありがとう~!そのまま、同ステージに続いて登場するダニエル・ジョンストンを待つ。前回=ダーティ・スリー時はニック・ケイヴ目当てのオールド・ファンも結構目に付いたものだったが、今回の客層はそれに較べ若い。「ほんとにダニエル来るのかな?」「初めて観れる~」ときゃいきゃい騒いでいる娘さん達がかわいいなあ・・・なんて思っているところに、楽譜台とギターを手にダニエル登場!ひときわ熱~い喝采が送られたのは言うまでもなく(涙)、ストリングスに張り付いた拳でがしがしコードをこするような、あの独特なスタイルの弾き語りが始まる。知人のひとりが「なんじゃこれ?音楽か?」と顔をしかめていたくらい演奏は稚拙だが、飾り立てることない言葉が歌う普遍的な思いの数々は、それを音楽の形で「誰か」に届けずにいられないダニエル・ジョンストンという人の情熱と共に、胸にぐんぐん刺さってくる。「Devil Town」で締めたセットは、筆者が今まで観た中でもっとも長い10曲以上、ギターとピアノ両方で歌ってくれたし、体調が安定しているみたい・・・と安心。マーク・リンカスがどこかで顔を出すか?と期待してもいたけど、自分のバイオリズムがそのままリズムになってるこの人の弾き語りで、誰かがバックを努める(=リズム・キープする)のは無理な話だなあ~と途中で思った。
お次は待ってました!ヨ・ラ・テンゴ!というわけでメインのパヴィリオン・ステージに向かうと、これまたかなりの人込み。この晩のメインはヨラ、そして続くヘッドライン=モグワイ(フジ・ロックのホワイト・ステージみたいだな~)のみの2ステージで、グワイ・ファンが早くも集まり始めている模様。ジャジィなオープニングが音響ぽくて渋いねヨラ――と言いたいところだが、うおぉぉぉPA悪い!エコーがひどい。サウンドが波状に揺れて文字通りユ・ラ・テンゴ、なんてシャレにもなりませんやな。ほぼ1曲ごとにアイラがギター、キーボードと楽器を変えるのでミキシングも大変な上に、どでかいドーム型空間なのもPAスタッフにはハンデだったんだろうけど、せっかくの繊細な音の営み~インストのインタラクションを心行くまで堪能できないのは心惜しい。しかし、ポップな楽曲が混じることで尻上がりに調子は良くなっていき、いつものグルーヴ感に火が着いてオーディエンスもノリノリ。ラストにはダニエル・ジョンストンが迎えられ、「Speeding Motorcycle」共演でトドメだあ!場内にぽっかり巨大なハート・マークが浮かぶのが見えるほど、スウィートな光景でした。
嗚呼!モグワイの真裏がスパークルホースってのは誰の陰謀?というわけで、チーム・グラスゴーはラスト20分ほどしか観れませんでしたが、ステージから押し寄せる「未知との遭遇」状態なライティングと音の洪水は圧巻で、ヘッドラインにふさわしい盛り上がりを生んでいたのはさすが。ニューヨーク発トール・ファースが想像以上にかっこいいインプロ系フリー・ロックの火花を散らせる姿をしばし観戦した後、ヤング・ゴッドからのリリース群に接して以来ライヴを非常に楽しみにしていた(でも、なぜかいつもタイミングが合わなかった)アクロン/ファミリーに移動。脳開放:神秘のサイケ・カクテルを期待しながらワクワク(アクアク?)していたところ、東洋的な和音を聴かせる3部コーラスの冒頭こそ「おおっ!」と思わせたものの、2曲目で早くもメンバー全員が人間タイコ状態(スティックを手にとにかくなんでも叩く)に突入、コール・アンド・レスポンスを煽るなど明るい雰囲気は、ドゥンイェン(Dungen)というよりむしろザ・ホールド・ステディを思わせる(!)ポジなコミュニティ・ムード。もうちょっとドロドロしたものを期待していたんだけども、プログレ版CSN&Yとでも言うべき風変わりな世界は楽しめた。そのまま、ユースムーヴィーズ、ホワイ?に流れたいところだったが、土日が過酷なのでこの日は早めに切り上げることに。
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